関西圏を中心にドラッグストア・調剤薬局を展開するキリン堂のプライベートブランド「楽・美・健・快」の新シリーズ「キリン堂の女性スタッフが考えた手軽に健康生活シリーズ」の立ち上げを日本百貨店がプロデュース。
第一弾として開発支援した「薬膳スパイス」を配合したレトルトカレーが全国のキリン堂店舗にて現在販売中です。
「ととのう」「いきいき」「うるおう」をテーマに開発したカレーには、高麗人参、みかんの皮、ナツメなどの漢方素材と厳選したスパイスを配合した特製「薬膳スパイス」を使用。
数多くのカレー・スパイス商品の企画監修を行い、本格的な味わいに仕上げるスパイス使いで話題の「スペーススパイス」がレシピ監修を行い、レトルトカレーとは思えぬクオリティーの、健康だけでなく美味しさも追求したカレーが完成しました。
今回は開発に携わった皆さんに、商品が誕生するまでのお話をお伺いしました。
関西圏を中心にドラッグストア・調剤薬局を展開するキリン堂のプライベートブランド「楽・美・健・快」の新シリーズ「キリン堂の女性スタッフが考えた手軽に健康生活シリーズ」の立ち上げを日本百貨店がプロデュース。
第一弾として開発支援した「薬膳スパイス」を配合したレトルトカレーが全国のキリン堂店舗にて現在販売中です。
「ととのう」「いきいき」「うるおう」をテーマに開発したカレーには、高麗人参、みかんの皮、ナツメなどの漢方素材と厳選したスパイスを配合した特製「薬膳スパイス」を使用。
数多くのカレー・スパイス商品の企画監修を行い、本格的な味わいに仕上げるスパイス使いで話題の「スペーススパイス」がレシピ監修を行い、レトルトカレーとは思えぬクオリティーの、健康だけでなく美味しさも追求したカレーが完成しました。
今回は開発に携わった皆さんに、商品が誕生するまでのお話をお伺いしました。
キリン堂
1955 年の創業以来、「未病」というテーマを掲げ、関西地区を中心に 413店舗のドラッグストア・調剤薬局チェーンを展開している。地域の皆さまの「楽・美・健・快」(より楽しく、美しく、健康で、快適な生活)をサポートし、健康寿命の延伸のための価値創造を使命とする。
キリン堂 商品開発部 山下 由利子さん
キリン堂の店舗にて接客販売を経験ののち、化粧品カウンセリングマネージャーとして多くの化粧品販売員を育成。2019年より化粧品のプライベートブランド商品の開発に携わり未病発想スキンケアブランドKi-reise(キレイズ)のリブランディングをはじめ、サプリメント・医薬品・化粧品・日用品・食品など数多くのプライベートブランド商品の開発を進めている。
キリン堂 商品開発部 奥山 優紀さん
キリン堂の店舗にて接客販売を経験ののち、2021年からキリン堂プライベートブランドの商品開発に携わる。キリン堂が創業以来大事にしている「未病」の考え方を根底に、腸内環境や血流に着目した体をととのえるためのサプリメントシリーズ「めぐりさぷり」の立ち上げをはじめ、管理栄養士が考えた健康食品シリーズ等の商品開発を進めている。
スペーススパイス 竹田 太造さん
スパイス専門輸入商社「アンビカトレーディング」にてインドスパイスについての知見を深めた後、レトルト食品メーカー大手にてインドカレーなどの商品企画・開発に携わる。日本人インド料理シェフと共に「LOVE INDIA」というイベントを主催。
2019年に株式会社スペーススパイスを創業。有名店のシェフとのコラボ商品及びPB商品の企画も手掛ける、スパイスのスペシャリスト。2024年より独自のスパイスの世界を広げるべく、スパイス輸入計画中。
日本百貨店 バイヤー 日暮 学
日本百貨店商品開発室担当室長。大型店「日本百貨店しょくひんかん」の立ち上げメンバーとして参加。現在は商品の仕入れやオリジナル商品の開発を統括。ニッポンのスグレモノを見つけるべく全国各地を奔走(フラフラ)しています。
食べることで健康を支える商品を開発したい
食べることで健康を支える商品を開発したい
ー満を持して発売がスタートした「キリン堂の女性スタッフが考えた手軽に健康生活シリーズ」第一弾の「薬膳カレー」。シリーズの看板にもなるであろう商品ですが、開発が始まるまでの経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか。
ー満を持して発売がスタートした「キリン堂の女性スタッフが考えた手軽に健康生活シリーズ」第一弾の「薬膳カレー」。シリーズの看板にもなるであろう商品ですが、開発が始まるまでの経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか。
キリン堂商品開発部 山下さん(以下:山下さん)
キリン堂社内で食品の商品開発を強化したい、という課題がありました。今まではお客様の生活の軸を支えるような低価格帯やサプリなどの販売が多く、今回はキリン堂の健康食品ブランド「楽・美・健・快」の中に、キリン堂の背景でもある「医食同源」に改めて重点を置き、食べることで健康を支える商品を開発できないかという思いで開発がスタートしました。
社内で商品開発をする際に弱い部分が企画力でした。そこで今回は縁あって日本百貨店さんとご一緒させていただき、社内でも初めての試みで商品開発を進めていくことに。
開発がスタートするまでに何度もミーティングを重ね、どういう方向性で進めるかというなかで、日暮さんから薬膳を使用したカレーを提案していただきました。
日本百貨店バイヤー日暮(以下:日暮) 「医食同源」をテーマにして、どうやって手軽に生活に取り入れるかというところを考えた時に、できるだけキャッチーで親しみやすいものがいいなって思ったんですよね。それでスパイスがいいんじゃないかという話になり、スパイスを使った食品と言えば、カレーが食べやすいくてとっつきやすいし、いいんじゃないかと思い提案しました。
山下さん こちらのいろんな要望の中から汲み取っていただきました。(笑)
日暮 面白い案がたくさんありましたよね。(笑)
難航する「薬膳カレー」完成への道
難航する「薬膳カレー」完成への道
ー開発がスタートし、皆さん、それぞれ衝突する壁があったかと思います。今回はその中でも苦労したこと、大変だった、という点をお聞かせいただけますでしょうか。
ー開発がスタートし、皆さん、それぞれ衝突する壁があったかと思います。今回はその中でも苦労したこと、大変だった、という点をお聞かせいただけますでしょうか。
山下さん
カレーに健康にこだわるキリン堂らしいアレンジを加えた「薬膳カレー」ということで開発を進めることが決まったものの、そこからがなかなか大変でした、、、やはり「薬膳」で推してしまうと、それだけお客様の間口を狭めてしまうのではないかという懸念が社内で出ていました。
そもそも「楽・美・健・快」シリーズはお客様目線を一番に考えるということを大切にしているので、そこから離れてしまうのは本末転倒なんですよね。
キリン堂商品開発部 奥山さん(以下:奥山さん) そこで、不安点を払拭すべく、自社アプリを活用して薬膳についてのお客様アンケートを実施しました。すると、結果は意外にも、あまり知らないけど興味はある、薬膳が身体に良いものだという認識はある、という好感触なお客様が多く、しっかりと打ち出せば良い商品になるという裏付けを取ることができました。
山下さん
2人で社長のところにアンケート結果を持って走りましたよ。(笑)
最終的に新しいチャレンジにはなるので、10人いたら2人しか知らないではなく、ちょっと軸を変えて、10人いたら10人に興味を持ってもらえるような商品を目指すという方向性で、打ち出し方を薬膳を前面に出すのではなく、「手軽さ、健康」を主軸に、あくまでお客様目線を大切にした「キリン堂の女性スタッフが考えた手軽に健康生活シリーズ」というテーマに決定しました。ここまでが一番苦労したかもしれません。
日暮
そうですね。どうやって薬膳をキャッチーに伝えるか、という部分をひたすら考えていました。デザイン、商品名、キャッチコピーなど、出してはやり直すを繰り返して、、、言葉を考えながら、管理栄養士の資格を持っていらっしゃる奥山さんが食材の効果・効能を即座に教えてくださって、そのあたりは日本百貨店にはないキリン堂さんならではの目線・ノウハウで、とても勉強になりました。
プロデュースする上で大切にしたのは、キリン堂の「医食同源」という理念をどう活かすか・伝えるかという点です。日本百貨店が入ることで親しみやすくカジュアルなところに落とし込む部分を一番考えましたし、苦労しました。
キリン堂さんの良さを活かしながら日本百貨店が入ることによって、ちょっと今までとは違うお客様へのアプローチや、売場での展開方法など、何度か擦り合わせしました。
身体に良いと美味しいのバランスを取るのが難しくて、そのあたりは最後の最後まで調節させてもらいましたね。
スパイスのプロがこだわり抜いた、素材の味が活きるカレー
スパイスのプロがこだわり抜いた、素材の味が活きるカレー
ー皆さん各々、開発商品への愛が深くなったと思うのですが、今回の商品を紹介するにあたり、ここが好き!などありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
ー皆さん各々、開発商品への愛が深くなったと思うのですが、今回の商品を紹介するにあたり、ここが好き!などありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
山下さん ここだけの話なんですけど、私カレー苦手だったんですよ。
スペーススパイス 竹田さん(以下:竹田さん) そんな人いるんですか?!(笑)
山下さん スパイス=辛い、というイメージがあって敬遠して食べていなかったんです。初めて試食会で開発したカレーを食べさせていただいた時に、あれ?辛くない!って感動して、スパイスって辛みじゃなくて風味なんだって思いました。今まで自分が食べていたカレーって、、、と思っちゃいましたね。
竹田さん 革命起こしちゃいました。
山下さん
試食会でキリン堂社員と各店長にカレーを食べてもらってから、明らかに商品開発の風向きが良い方向に変わったのを感じました。その場にいた全員が美味しい!って褒めてくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです。
やっぱり売るのはお店のスタッフなので、各店長に食べてもらって納得してお店に商品を並べてほしい、という思いもあり、試食会には竹田さんにも来ていただいて、各店長は開発背景や思いなどを知ることができて、より商品のことを理解できる、とてもいい機会だったなと思います。
発売までに何度も行われた、開発チーム、バイヤーの皆さんとの試食会風景
発売までに何度も行われた、開発チーム、バイヤーの皆さんとの試食会風景
山下さん 私も社長も参鶏湯カレーがイチ推しです。参鶏湯スープは聞いたことあるけど、カレーってないですよね?世の中にない商品として、まず価値がありますよね。煮込まれた骨付きチキンがごろっと入っててインパクトもありますし。
日暮 竹田さん、参鶏湯カレーって今まで作ったことあります?
竹田さん ないですね。今回が初めての試みかも。参鶏湯が鶏を煮込む割とシンプルな料理なので、そこはあまり邪魔しないようなレシピにしたいなって思いながら考案しました。僕も参鶏湯が一番好きかも。
奥山さん 私はビーフカレーが好きです。ゴロゴロとした牛肉にプチプチとしたマスタードシードがいいアクセントで美味しいんですよ。
日暮さん 僕はバターチキンですかね。カシューナッツペーストが入っていてコクがあり、トマトがしっかり感じられる味わいが最高です。意見が割れましたね!でも全部美味しいから納得の結果です!
竹田さん
全てにおいてなんですが、僕が監修するカレーには、素材の味を活かせるように余計なものは入れないようにしています。添加物を入れて味を補わなくても、玉ねぎやトマトなどの野菜を炒める行程をしっかりと丁寧に行い、そこにスパイスを重ねることで味は十分にしっかりします。いつもは主にインド料理を専門にしているので、辛いだけじゃなくて料理として美味しいカレーを目指すという部分のルーツがあるのかなと思います。
今回は「薬膳カレー」ということで薬膳食材をプラスしていますが、スパイスも薬膳食材の一種ではあるので、カレーの味の部分は邪魔をせず、むしろ深みがあるというか一体感が増す味わいになりましたね。
奥山さん 販売が無事スタートし、ただ美味しいカレーというだけではなく、しっかりと健康を意識したキリン堂の強みも入ったテーマ設定になっていて、社内でも商品企画内容からいいねって好評をいただいています。
山下さん お客様から「カレー美味しかった!」というお電話を直接いただいたり、発売前に開催した社内の試食会でキリン堂社内にしっかりと味の美味しさ・こだわりが伝わったことで、店長、スタッフ、お客様という流れで、根強い口コミの波が広がっているなと感じました。今までにない、良い意味でキリン堂らしくないデザインもキャッチーで、今後も胸を張ってお客様におすすめしていきたいですね。
これからも社内もお客様も巻き込んだ面白い開発を
これからも社内もお客様も巻き込んだ面白い開発を
ー最後に、今後こういう商品を作ってみたい!こんな商品があったら面白そう!など、内なる気持ちでかまいませんのでお聞かせいただけますでしょうか。
ー最後に、今後こういう商品を作ってみたい!こんな商品があったら面白そう!など、内なる気持ちでかまいませんのでお聞かせいただけますでしょうか。
山下さん 主食のカレーが発売されたので、スープやデザートなど一食分を補えるようなシリーズ開発を今後進められると夢が広がるなあ、と思います。
日暮 山下さんもおっしゃっているように、一日を通してどこかで取り入れることができるようなアイテムだと、例えば間食で食べられるようなお菓子やお茶だったり、カレーよりもさらに気軽に食べられる商品は、購入する層の間口も広がって、より認知に繋がりそうです。
竹田さん 壮大でいいですね!
山下さん いろんなドラッグストアがプライベートブランドを開発していくなかで、価格の安さを追及してしまうところを、キリン堂はこれからも美味しさと健康、他社がまだ目を向けていない新しい分野に付加価値をつけることで、他とは差別化をして今後も自分たちもお客様も楽しい面白い開発を進めていきたいです。
日暮 日本百貨店も、今回の商品開発支援で、自分たちにはないさまざまなノウハウや、気づきのようなものを勉強させてもらいました。今後もキリン堂さんをはじめ、多種多様な企業と会社もお客様も巻き込んでワクワクした取り組みをできれば嬉しいです。